中学生って筋トレして大丈夫?【効果と注意点を解説】
本記事では
- 中学生って筋トレしても大丈夫なの?
- 中学生って筋トレした方がいいの?
- 中学生って筋トレしても効果があるの?
このような疑問に答えます。
1.中学生は筋トレをしても大丈夫?【効果とを注意点をセットで解説】
1−1.中学生は筋トレをしても大丈夫か
結論からいうと、中学生が筋トレをしても大丈夫です。やり方さえ間違わなければトレーニングすることに問題はないです。その理由をこれからご説明します。
そもそも競技中の方が負荷が大きい
スポーツの競技中に身体にどれくらいの負荷がかかっているかご存知でしょうか?ランニング動作では、走るスピードにもよりますが片脚に体重の2〜4倍の負荷がかかっています(1)。それを考えると筋トレ(ウエイトトレーニング)で与える負荷はこれほど大きくなく、むしろ競技練習をやりすぎる方が怪我のリスクは高いと言えます。
トレーニングのやり方にもよりますが、適切なフォームで適切な負荷をかければ怪我のリスクを抑えてトレーニングをすることは可能です。(やり方が大切です。後ほど解説します)。
身長が伸びなくなる?
筋トレをすると身長が伸びなくなるんじゃないかと思われる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、適切なウエイトトレーニングは発育・発達にネガティブな効果がないことが研究によって明らかになっています(2)。自分は複数年にわたって中学生を指導したことがないのでなんとも言い難いところもあります。しかし、先ほどご説明したとおり、ウエイトトレーニングよりも競技中の方が身体への負荷は大きく、それによって筋も発達しているはずです。筋が発達することによって身長の伸びが妨げられることになるとすると、スポーツをやること自体が身長の伸びを妨げているということになってしまいます。実際に「スポーツをして身長が伸びなくなる」ということはないかと思いますので中学生がトレーニングをしても問題はないでしょう。
負荷が大きいなら競技練習だけやればいい?
「競技中の方が負荷が大きいなら競技だけやっていればいいんじゃ…」と思われる方もいるかもしれません。
競技中の動作は、競技中のパフォーマンスを最大化することが目的となっています。つまり、「どう動いたら100mのタイムがでるか」「どう投げたらより速い球が投げられるか」「どのようなフェイントをかければ上手に相手をかわせるか」など、そのスポーツで目的となっていることを達成するためにどう動けばいいかが課題となります。従って、競技中の動きは「怪我のリスクを避ける」ことよりも「どう動けばいいパフォーマンスが出せるか」ということが優先されています。従って、競技中の動きはウエイトトレーニングよりも怪我のリスクが高いといえます。
一方、ウエイトトレーニングは関節への負担が少なく、怪我のリスクがないフォームで筋力を鍛えることができます。従って、競技中よりも怪我のリスクを抑えて筋力を向上することができます(やり方によります)。また、トレーニングで向上した筋力は、競技中にかかる大きな負荷に耐えることに役立ちます。従って、競技の練習だけはなくトレーニングを別でする必要があるということです。
1−2.中学生が筋トレをするとどんな効果があるか
怪我をしにくくなる
先程もお伝えしましたが、筋トレをすることで競技中の負荷に耐えうる身体を作ることができます。自分が中学生だった時も、前十字靭帯を断裂したり、ヘルニアになったりして練習ができない友人がいました。適切にトレーニングをすることでこれらの怪我を予防することができます。自分の指導しているアスリートもトレーニングをすることで怪我が少なくなったという感想をいただきます。また、自分の周りでトレーニングをしている中学生もトレーニングをして怪我が減ったそうです。なんでもかんでもトレーニングすればいいというものではありませんが、やれば確実にポジティブな効果があるでしょう。
パフォーマンスが向上する
筋力がつくと、自分の身体を動かす出力があがるのでより速く動いたり、より高く跳べるようになる可能性があります。競技の動きを練習しているわけではないので、トレーニングをしているだけでは上手くはなりません。しかし、筋力が向上することでよりボールが扱いやすくなったり、動きに機敏さがでるということも可能性としてあり得るでしょう。
1−3.トレーニングをするときに注意点
やりすぎに注意
トレーニングも練習もやり過ぎれば怪我をします。また、負荷が適切でないと怪我をします。これについては別に記事を書いているのでこちらも参考にしてみてください。
自分が中学生を指導をするときはいきなり重りは扱いません。自体重でできることからはじめ、徐々に負荷をかけます。いきなりバーベルを持って、、、なんてことはないです。ただ、慣れてきたら重りは扱います。実際に指導をしている中学生の選手で、重りを使ってトレーニングをして怪我をした選手はいません。
フォームが大切
やり方が大切というお話をしました。つまりどんなフォームでやるかということがとても大切です。重りを持って負荷をかけるわけですから、やり方を間違うと怪我をします。これは適切に指導できる専門家に一度習うことをおすすめします。
1−4.まとめ
中学生が筋トレをしてもいい理由について解説しました。適切にトレーニングを行えばポジティブなことの方がずっと多いです。もしトレーニングをやり方を知りたい方がいらっしゃいましたらご連絡ください。【お問い合わせはこちらから】
ただ、部活動をしていて専門家に依頼をするってかなりハードルが高いんですよね。お金がかかることなので保護者の方のご理解を得る必要もあったりなど難しいことも多いと思います。。。何かいい解決策はないものか。。。
<参考文献>
1.福永哲夫, 金子公宥著, バイオメカニクス 身体運動の科学的基礎, 2004
2.Robert M. Malina, Weight training in youth-growth, maturation, and safety: an evidence-based review, Clin J Sport Med, 16(6), 2006
3.Faigenbaum. Avery D, Kraemer. William J, Blimkie. Cameron J R, Jeff reys. Ian, Micheli, Lyle J, Nitka. Mike, Rowland. Thomas W, 青少年のレジスタンストレーニング:NSCAポジションステイトメント 最新版, 2011