ジャンプ力を上げるためにクリーンはやったほうがいい?
本記事では
- ジャンプ力を上げるためにクリーンってやったほうがいい?
- クリーンってジャンプ力を上げるのにいいって聞くけどどうなの?
のような疑問に答えます。
パーソナルトレーナーとしてトレーニングを指導しているなかで、クリーンについて質問いただくこともちょこちょこあるので、クリーンについて解説したいと思います。
この記事の信頼性
筆者は自身でトレーニングを実践しているとともに、多くのアスリートにトレーニングを指導しています。自分でトレーニングをして1年間で垂直跳びを8cm伸ばした経験もあります。
1.ジャンプ力を上げるためにクリーンはやったほうがいい?
1−1.ジャンプ力を上げるためにクリーンはやった方がいい
ジャンプ力を上げるためにクリーンは有効です。クリーンは重量挙げという競技の種目の1つです。イメージできない方はYoutubeで「ウエイトリフティング クリーン」みたいな感じで調べてみてください。
クリーンがなぜジャンプ力を上げるために有効かというと、クリーンを行うことで下半身で発揮するパワーを高めることができるからです。ジャンプ力を高めるためには下半身のパワーを大きくする必要があります。従ってクリーンはジャンプ力を高めるために有効であるといえます。
※ジャンプ力を高めるためのトレーニングについては、こちらの記事でも詳しく解説しているのでよかったら読んでみてください。
【参考】#42 ジャンプ力を向上させるために【測定の仕方とトレーニング】
冒頭でも書きましたが、筆者は1年間で垂直跳びを8cm伸ばした経験もあります。いろいろなトレーニングを行なってきましたが、その中でもクリーンが垂直跳びの向上に貢献したことは違いありません。
クリーンだけが垂直跳びの向上に貢献したわけではありません。しかし、週に2〜3回クリーンがプログラムに入っていたことを考えると、ジャンプ力を高めるためにクリーンが少なからず貢献したといえるでしょう。
ジャンプ力をあげようと思った時にクリーンは有効です。
1−2.実際に正しくやるのは難しい&環境がない
しかし、「じゃあクリーンをやればジャンプ力をあげられそうだからやってみよう」といってできるほどクリーンは簡単な運動ではありません。
youtubeで動画をみていただければわかるかと思いますが、しっかりと習った経験がない方がクリーンをみて、どんな動き方をしているか理解するのは難しいでしょう。ネットやyoutubeの動画を見てみよう見真似でクリーンをやってみても、だいたいの人は適切なフォームで行うことができません。なんとなくでやっていては大きなパワーを発揮するというクリーンの長所を活かすこともできないため、結果的に効果が得られないことになります。従って、クリーンをやりたいと思ったら適切なやり方を経験や知識がある人から習う必要があります。
また、クリーンはスクワットなどと違い、失敗すると地面にバーベルを落とす必要があります(イメージがつかない方はyoutubeで「クリーン 失敗」と調べてみてください。)。多くのフィットネスジムなどでは、ウエイトを地面に落とすことができないため、自分が確実にできる重さしか扱えないことになります。重い重りを速く上げることでパワーは大きくなるので、可能であればギリギリの重量を扱えた方がメリットは大きいです。現状、ウエイトを落としていいという施設が少なく、クリーンのメリットを最大限活かせる環境が多くはありません。
自分が確実に扱える重さでクリーンを続けてもジャンプ力が上がる可能性はあります。しかし、動作の習得の難しさも考えると、クリーンを実施するよりも別のトレーニングでジャンプ力を高めようとする方が効率的なことがほとんどです。
1−3.クリーンより簡単なプライオメトリクス
クリーン以外にもパワーを高めるトレーニングはいろいろなものがあります。中でもプライオメトリクスと呼ばれるジャンプトレーニングでもパワーは高めることができます。クリーンができるに越したことはありませんが、できない場合はプライオメトリクストレーニングという選択肢もありです。
実際に筆者の指導するアスリートにもプライオメトリクスは多様しますし、自身のトレーニングにもとりいれています。最近は、PUSHという速度を測る器具を使ったりもしています。
もっと細かくいうと、色々なパワートレーニングのうちどのトレーニングがその人に合っているかを選択するためには「パワー」という概念をより深く理解する必要があります。クリーンが最適の場合もあれば、プライオメトリクスの方が最適の場合もあります。詳細についてはそれなりに難しいのでパワーについては今回は解説しません。
その時々の環境や指導者の有無などに合わせて柔軟にトレーニングを選択することが重要です。クリーンがジャンプ力をあげるために効果的なこともあれば、そうでないこともあります。
プライオメトリクスについては、クリーンよりはるかに簡単です。もしやってみたければ、以下の本も参考にしてみてください。
1−4.まとめ
「ジャンプ力を上げるためにはクリーンをやったほうがいいよ」ということはよくいわれますが、動作の習得や実施する環境はなかなかないのが現状です。ご自身のパフォーマンスを高めるために、環境などを踏まえて適切なトレーニングを選択することが大切です。