#9 自主学習のまとめ

その他

また、間が空いてしまいました。。。

今回はTraining effect transfer (トレーニング効果の転移)について。

最近、Frans BoschのStrength and Training and Coordinationという本を読んで勉強しています。そこで得た知識と現場に応用できそうなことをまとめてみます。

 

1.筋が最適なポジションで力を発揮する

筋長-力曲線というものがあります。この関係は筋は最適な長さにあるときに最も力を発揮し、筋が最適長より長かったり短かったりすると発揮する力が小さくなるものです。例えばハムストリングが伸ばされたポジションでは発揮する力は小さくなりますが最適な筋長のポジションでは大きな力を発揮することができるというものです。この曲線から、筋の障害(肉離れ等)が起きるときは筋が力を発揮できない姿位で無理に力を発揮することが原因であるとされています。従って筋が最適な力を発揮できるポジションで動作を行うことが重要となります。

そのため、この本で紹介されているエクササイズは筋のisometricな収縮を維持したまま力を発揮するものもあります。

 

2.筋長-力曲線はROMを改善することで変化するのか?

この論理を読んで感じたことはROM(関節可動域)を改善することでこの曲線は変化するのではないかということです(ここでは動的なROMの話をしています)。ハムストリングが硬い選手はこの曲線の幅が狭くなります。「ハムストリングが伸びることができない+そのポジションで力を発揮することができない」となるのでケガのリスクは当然高くなります。従って筋の可動域がない選手には可動域をまず獲得するという作業が必要になると考えられます。

 

3.どのようにROMを獲得するか

僕が運動指導をする場合、真っ先に行わせるのはRDLです。これは背部からハムストリングまでの裏の筋群を効率よく鍛えながらハムストリングの可動域を獲得することができます(指導者によって得られる効果はことなりますが。。。)。最近、ハムストリングがもともとものすごく柔らかい選手にRDLを指導することがありました。このような選手を指導した印象として、もともとハムストリングの柔軟性に優れた選手は骨盤のコントロールが難しく、ヒップヒンジの動作をうまく行えない選手が多いと感じています。従ってRDLのようなヒップヒンジのトレーニングは股関節の動作を学習するためにも有効なトレーニングではないかと感じています。

<参考文献>

Strength and Training and Coordination, Frans Bosch

【編集後記】

英語を読むのはしんどいこともありますが、得られるものはたくさんあります。