テスティングその2
こんにちは、佐々木です。
今日は昨日お話ししたテスティングの話の続きです。
テスティングをするときは信頼性と妥当性を担保するのが大事だよ〜というお話しをしました。
今日はこの2つを少し深掘りします。
妥当性は、測定しようとしているものに対して測定方法が適切かどうかを判断することです(正しい定義は教科書を読んでください)。
例えば、持久力を測りたいのに10mのタイムを測っても持久力は測れません。10mは短い距離のスプリント能力を測るためのテストだからです。
これって、英語の能力が知りたいのに数学のテストをやっているのと同じで、何を目的として測定をするのかが明確でないと測りたいものが測れません。
だからテストで何を測るのかを明確にしておくことが大事です。
何となくスクワットをテストするとか、何となくジャンプのテストをするということではなく、スクワットは下半身の筋力を評価できて他の種目よりもこの点が優れているから下半身のテストではスクワットをやる!みたいな感じに理由が明確であることが必要です。
理由が明確なら手段はなんでも良くてテストはスクワットでも、ジャンプだけでも、デッドでもいいと思います。
大事なのはそこに理由があることです。
これがいわゆる妥当性のお話。
次に、信頼性の話をします。
信頼性は、そのテストって信頼できるの?ということなんですが、ざっくりしすぎてるので具体的に話します。
例えば、垂直跳びのテストをして2ヶ月間トレーニングをし、その効果を確かめようとします。
その時大切なことはトレーニング前(pre)とトレーニング後(post)の測定の時の条件を出来るだけ揃えることです。
preのテストを練習量が比較的少ない準備期に行ってpostテストを試合がある試合期に行なってしまうと、疲労度が大きく異なってしまうので、測定した値を比較できません。
つまり条件が違うとノイズが入って誤差が大きくなるので、全く違う測定になっちゃうんですね。
これって特に代表活動などをされている方は無茶苦茶難しい問題だと思うんです。
選手の体力レベルを知りたいけど、集まる前の選手の練習量や試合の数は全然違うので、測定したとしても変化はわかりにくくなります。
また測定したとしてもチームに帰るとトレーニングは変わってしまうので、測定そのものの意味が薄れてしまいます。
代表レベルでの育成環境を整えるって結構難しいよなーと常々思ってます。
信頼性と妥当性についてお話しましたが、結局のところ測った数値がどういう意味があるのかを解釈するためにこれらの知識が必要です。
コーチは数値を測ったら、次に繋げるために、その数値は本当に伸びているのか、たまたまなのか、なぜ伸びたのか、伸びてないのかを解釈する必要があります。
単に上がった、上がってないを知るだけじゃダメなんですね。
何か測定をすれば”数値”はわかります。
ただその数値で選手は一喜一憂するし、モチベーションを高めることにも下げることにもつながります。
テスティングは奥が深いです。
選手のパフォーマンスを上げるためにも、テスティングや数値を扱える能力は必須です。
皆さん、一緒に頑張りましょう。