1次情報を発信する意義

指導者向け

こんにちは、佐々木です。

今日は、1次情報をわかりやすく発信することの意義、というテーマでお話したいと思います。

今や情報をテレビやインターネット、ブログ、SNS、雑誌、専門書など様々な媒体から手に入れられるようになりました。論文などの役に立つ情報をTwitterやブログで発信している方はたくさんいます。自分も先日、論文の紹介をこのブログで行いました。

記事を投稿して少し経ち、そもそもこれは誰かのためになっているんだろうか疑問が浮かびました。もしかすると情報を噛み砕いて発信してしまうと、1次情報にアクセスしない人が増え、結果としてネガティブなこともあるんじゃないかと思ったわけです。

科学的な情報を現場に活用する時に必要なことは、1次情報にアクセスし、その情報をどこまで自分の指導に活かせるかを吟味することです(ここでいう1次情報は論文のことです)。

指導者としてアスリートをサポートするという立場にある以上、論文を活用する能力は不可欠です。なぜなら、これまでいいとされている方法のほとんどが研究で明らかにされたことがベースにあり、研究の情報をまとめたものが論文だからです。

SNSの情報や雑誌、ネット、ブログなどで手に入る情報は2次的な情報で、発信者の解釈が含まれていることが多分にあります(論文でも筆者の主観が入っている部分があります)。従って、2次的な情報から知識を入れる時はやはり注意が必要です。

ちなみに、テレビの情報も完全に2次情報で、例えば記者会見というのは政府が記者に会見をし、その情報を元に記者が我々に発信するという仕組みです。つまり「政府→記者→自分」という流れになっているので、テレビの情報は脚色されている可能性が普通にあります。コロナウイルスで情報が錯綜する中、1次情報はワイドショーでも朝のニュースでもなく、記者会見です。自分が得ている情報の出所を正しく判断するというのも大事な力の一つだと思います。

話を戻します。

ブログやSNSで論文の中身をわかりやすく噛み砕いて発信してしまうと、その情報をそのまま受け取ってしまう受け手の方は大なり小なりいるので、発信者として情報を発信するときはかなり注意が必要です。また、受け手の時はその情報をそのまま鵜呑みにせず、可能な限り1次情報にアクセスし、主観ができるだけ入っていない情報をまず自分で噛み砕く必要があります。

役立つ情報を発信している方々を否定する気は全くありませんし、むしろ感謝しかありません。しかし、自分がブログ記事を書いて思ったことは、発信するときはかなり気を使わなければならないと思いましたし、受け手になるときは1次情報にアクセスして情報が確かか確かめることがマストだと改めて思います。

とはいうものの、毎回論文を全て確かめている時間はないので、取捨選択しつつバランスよく情報を取り入れる能力が必要でしょう。

情報が錯綜する現在だからこそ、情報を取捨選択できる能力をどのように養うかが大きな課題の一つになっていると思っています。