#5 球技における持久的トレーニング

指導者向け

球技系のスポーツを指導していて、「持久力をつけさせるために走り込みをさせる」というのは大抵のコーチが行わせていることだと思います。

しかし、走り込みをしていても、「いつまでも持久力がつかない」、「すぐバテてしまって練習にならない選手がいる」というケースは良くあるのではないでしょうか?

今回は、球技系のスポーツにおいて行う持久的トレーニングにおいて、考慮しなければならない「個人の体力レベル」についてまとめます。

 

1.ダッシュ系のメニューでよくある光景

自分は小4~大4までバスケットボールに携わってきました(プレーヤー11年、学生トレーナー1年、学生コーチ1年)。そのなかでよくチームでランニングや、ダッシュのメニューを行いましたが、チームで一斉にダッシュ系のメニューを行うと「足が速い人、体力がある人はメニューをなんなくこなせる。足が遅い、体力がない人にとってはめっちゃきつい。」ということが良く起きるのではないでしょうか。

例えば体育館を20秒で2往復。それを10本。全員できなければもう1本追加。体力がある選手が先にゴールして体力がない選手を応援、鼓舞する。最後の人は死にそうになりながら必死にゴールする。みたいな感じです。

 

2.個人の体力レベルを考慮する

客観的に考えると、先ほどのようなメニューはベストな方法とは考えにくいです。なぜなら、個人の体力レベルが考慮されてないからです。

100mを11秒で走れるA選手と15秒で走れるB選手に「100mを15秒で走るインターバル」を行えば、A選手にとっては強度が低いですがB選手にとっては強度がかなり高くなります。従って、インターバルなどのランニングメニューを処方する際は個人の体力レベルを考慮しなければなりません。

 

3.テストを実施してみる

では、どのようにして体力を測ればよいのでしょうか?答えは「テスト」をする、です。持久力を測るテストはたくさんあります。以下に例を挙げてみます。

・シャトルラン

・1500m走

・30-15IFTテスト

・YO-YOテスト

などです。

たくさんあるテストの中で何を選択するかはどのような持久力をつけたいかによります。また、スポーツによってどのテストを選択するかも異なります。特に「切り替えし動作(ストップ&ゴー)」を含む球技系の種目では注意が必要です。100m走のタイムが11秒の選手が50mの往復走を11秒で走れるとは限りません。球技系種目のトレーニングは切り返し動作を含めた体力テストを行う必要があるでしょう。

実際にテストを行ってトレーニングを処方すると、個人に合わせた強度で適切なトレーニングを行うことができます。

ただし、実際にテストを行ってトレーニングを考え処方する、というプロセスはなかなか難しいです。テストの特性を理解し、トレーニングの引き出しを持っていなければなりません。

もし困っている方がいればご相談に応じますので問い合わせフォームからどうぞご相談ください。

 

 

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