#37 自分の指導するトレーニングについて改めて考えてみた

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    ここ最近、自分のトレーニング指導と他の方々との指導の何が違うのかずーっと考えていました。本当にこの業界、いろんなことを言う人がいるし、いろんなコンセプトで指導する人たちがたくさんいます。その中でも自分は今のウエイトトレーニングを中心としたトレーニング指導に行きついたわけで、今後何か衝撃的なことがない限り指導の根本は変わることはないと思っています。では、実際何が違うのか、自分は何ができるのか少し整理したいと思います。

1.パフォーマンスを上げるために必要なこと

アスリートのパフォーマンスを向上したい、言い換えると瞬発力を上げたいとかジャンプ力を上げたいと思った時、必要なことは何かというと体を強くすること、つまり筋力を向上させることです。特にジャンプ力を向上させたり、速く走ろうと思った時に重要になるのは下半身の筋力です。なぜならジャンプしたり走ったりするときに主に力を出しているのは下半身だからです。俗に言う体幹を鍛えるだけでは高く跳んだり速く走ったりできるようにはなりません。

で、筋力を向上させようと思った時に必要なのは「負荷」です。なぜなら人間が持っている筋肉は与えられた負荷に適応することによって強くなるからです。50kgのスクワットが10回3セットできる人が、トレーニングをして60kgで10回3セットできるようになったとしましょう。トレーニングすることによって以前よりも重たい重りを持ってスクワットができるようになっているということは、それだけ筋力が向上していると言えます。ここでこの人がさらに強くなろうと思った場合、さらに負荷を増やす必要があります。オーバーロードの原則というのがあって、人間は自分ができる重さよりも少し重いものを扱うことで、その負荷に身体が適応します。したがって、60kgでスクワットをできるようになった人が永遠に60kgでスクワットをしていてもそれ以上筋力が向上しません。さらに強くなるためには負荷を増やすことが必要です。だから負荷である重りが必要なんです。いつまでも自体重で永遠にトレーニングを繰り返していても身体は強くなりません。そして高く跳んだり速く走ったりできるようになる可能性も低いです。だから僕はウエイトトレーニングを中心としてトレーニングを指導します。

2.ウエイトトレーニングで怪我を予防できる

怪我を予防・改善できる。ウエイトトレーニングを指導している人の中でもこれができるかどうかが一番の違いかと思います。自分が指導するウエイトトレーニングでは膝、肩、腰の慢性痛が改善したり、これまで怪我が多かった選手が怪我をしにくくなったりと傷害予防という点でポジティブな効果があります。ウエイトトレーニングをすれば傷害が予防できるという研究論文もあります。しかし、あくまでデータを分析したものなので「ウエイトトレーニングをする→怪我をしにくくなる」という単純なものではないと思っています。ウエイトトレーニングにも色んなやり方があります。だからこそフォームとか負荷とか色々な要素を鑑みた上で指導する必要があります。「この種目のやり方はこうで、負荷はこれくらいにしましょう」と教科書に書いてあることをただ伝えて横で数を数えるのは簡単です。しかし、怪我を予防しつつ効率よく筋力を向上させるためにはフォームへの深い理解が必要です。さらにその人がもつ身体の特徴を的確に捉えて適切な種目、負荷などを決定する必要があります。だからこそきちんとウエイトトレーニングを教えるトレーニング指導者が必要だと思っています。

3.まとめ

一般の方を含め、人のパフォーマンスを向上させるためにトレーニングをしようと思ったとき、自分が行うトレーニングはその要求に応えることができます。もちろんなんでもかんでも解決できるわけではないですし、自分が適任でない場合もあるでしょう。ただパフォーマンスを向上させるという目的を果たそうとしたとき、かなりの確率でお役に立てるはずです。事実、膝に痛みの抱えたアスリートが「今日は膝が痛かったことを忘れてトレーニングできました」といって帰って行ったり、以前よりも怪我をしにくくなったという感想をいただいています。自分のやっていることが絶対だ!なんて思っていませんが、それでも効率よくパフォーマンスの改善ができ、かつ傷害を予防できるトレーニングを指導することはできています。なんとかしてよりよいトレーニングが世に広まればよいと思う次第です。指導に興味を持っていただいた方がもしいらっしゃればお問い合わせください。