#26 自分でトレーニングする意味

その他

「なんでそんなに自分でもトレーニングするんですか?」と聞かれることがあります.指導をするだけなら自分でトレーニングをしなくてもよいのでは?と思われる方もいると思いますが,自分でトレーニングをしていないのにクライアントや選手を指導することは不可能です.トレーニングを指導する際は当然デモンストレーションを見せます.クライアントは指導者のデモンストレーションをみてそれを参考に動こうとしますから,そのフォームがめちゃくちゃだったり,エラーが多かったりすれば指導の質は当然落ちます.「指導対象者は指導者の鏡」という言葉を聞きますが,最近指導現場にいてこの言葉の意味を深く感じています.指導者が出す動作の癖がクライアントに色濃く出ます.これは間違いないです.従ってまず,可能な限り美しいデモンストレーションを見せること必要になるので自身でトレーニングをしてその質を向上させるのは重要であるといえます.
また,自分で強くなるという経験をするということも重要です.ある一定期間プログラムを組んでそれを実践し強くなる経験をすることでクライアントに提供できるプログラムの質は大きく変わります.レップ数やパーセンテージをただ当てはめればプログラムができるわけではありません.教科書的な知識があることはもちろん必要ですが,それを実際にやったことがあるかないかは指導の質に雲泥の差を生みます.
前提となる健康的かつ効率よく目的とする筋群を鍛えるためのフォームがあり,どのレップ数でどの程度フォームの乱れを許すのか,許さないのか,何週間それを行うとどのような身体の反応があるのかなど自身で経験するからこそわかることがたくさんあります.そしてその実践からくるキューイングがあります.そのつらさをわかっているからこそ掛けられる言葉があります.これはトレーニングを行った経験がなければわからないことです.
前回のブログを書きながら改めて自分でトレーニングをする重要性を感じました.クライアントにできる限り質の高いトレーニングを提供したいのでこれからも様々な工夫をして自分のトレーニングにも励みたいと思います.